東北支部は,東北非破壊検査研究会から始まり,30周年となります。今年は,これを記念した式典を開催しました。恒例となっている学術講演会と支部会に併せて,創立30周年記念式典と祝賀会が仙台サンプラザを会場にして行われました。
学術講演会は,次世代を担う若手会員の育成と,非破壊検査技術の情報交換を進め,更なる業界の活性化を図る目的で行われています。今回は,東北地域の大学に所属する若手研究者と地方公設試の研究者から6件の講演が行われました。学術講演では,電磁界を利用した非破壊検査,音響を使ったコンクリート内部の3次元可視化など,東北で行われている最先端の研究成果が紹介され,熱心な討論が行われました。
支部会では,恒例の事業報告,決算報告などの他に,2名の方に奨励賞が授与されました。奨励賞とは,今後の活躍が期待される若手の技術者と研究者に授与されるものであり,関西エックス線(株)仙台営業所の五十嵐 賢一氏と,学術講演を行った東北大学の田島 直樹氏が受賞されました。受賞者の方々のますますのご活躍を祈念いたします。
その後の記念式典には,非破壊検査関連分野で活躍しておられる多くの研究者,技術者,学生の皆様がご参加くださいました。
式典では,実行委員長である東北大学 坂 眞澄先生の挨拶の後,(一社)日本溶接協会会長の粉川 博之先生,宮城県溶接協会事務局長の石割 正様から御祝辞をいただきました。
更に,東北支部の発展に寄与した功績から,2名の方に功労者表彰が授与されました。受賞者は,東北支部の前身である,東北非破壊検査研究会の設立当初から,会の運営や非破壊検査の技術指導に携わってきた,東日本検査(株)の佐々木 博氏,(株)仙都計器の高橋 晴義氏でした。この功労者表彰は,東北支部の最高の賞である島田賞として贈られました。
島田賞は,東北非破壊検査研究会を設立した故島田 平八先生にちなんで設立された賞であり,記念すべき今年の受賞者として選ばれた2名の方は,島田先生とともに東北支部を支えてきた月日を偲ぶ受賞者として,出席者の皆様から祝福を受けていました。
この後,記念講演として,東北大学の三原 毅先生から「東北支部 黎明期からの歩み」と題した講演が行われました。三原先生は,支部の前身である東北非破壊検査研究会に発足当初から携わっており,設立から現在まで30年間の流れを,様々な思い出と多くの写真を交えながらご紹介くださいました。
祝賀会では,日本非破壊検査協会 緒方 隆昌副会長から御祝辞を頂き,横野 泰和前会長の乾杯の後,和やかに行われました。
功労者表彰を受けられた2名の方のスピーチや,東北支部の活動を紹介したスライド上映,そして,日本非破壊検査協会 本部からいただいた記念品の紹介が行われました。この記念品は,東北支部の希望するものを贈りたいという本部のご厚意に基づき,検討した結果,東北支部の事務所に掲げる看板を記念品としていただくことになりました。祝賀会では,この看板設置までのエピソードをスライドにして紹介させていただきました。
本記事の最後に,前身の東北非破壊検査研究会から現在まで,日本非破壊検査協会 東北支部の30年間を支えてきてくださった多くの皆様に感謝の意をお伝えして締めくくりとさせていただきます。
(文責:宮城県産業技術総合センター 中居 倫夫)